デンマークに着いて二日目の昼に訪問しました。着いてすぐに昼食をいただきました。美味しい生ハムのついたサンドイッチをいただきました。そこの施設に通っている皆さんが運んで来てくださいました。

 食事の後、最初に訪れたのは機織りをしている工房で、色取り取りの布を織っていました。色使いも繊細で、技術的にもとても難しいもののようですが、器用に糸を組み合わせてテーブルクロスやマフラー等、様々な作品を作られていました。

 次に訪れたのが美術の工房で、彫刻や絵画等の作品が所狭しと飾られていて、また実際に絵を描いている少女がおりましたが、動物が好きだという彼女の作品はどれも奥行きのある作品ばかりで、動物達の息遣いが聞こえてくるような活き活きとした表情の作品ばかりでした。知的障がいを持っているとはいえ、一体どんな障がいがあるんだろうと不思議に思えてなりませんでした。

 最後に訪れたのが音楽のホールで、そこでは自分達で作詞・作曲をして演奏活動をしているというバンドが練習中でした。私達が行くと、早速自分達が作った曲を演奏してくださいました。彼らが知的障がい者だと知らないで聴いていたならば、健常者のバンドだと信じてしまうほどの腕前で、彼らが障がいを持っているなんてとても信じられませんでした。実際、演奏中の彼らは明るく楽しく、そして何よりもクリエイティブだったのが印象的でした。演奏後に話を聞いたら、音楽をやっていると人生を本当に楽しくやっていけるんだと目をキラキラと輝かせて話してくれたのがとっても素敵でした。

 とかく日本では障がい者と言えば、手のかかる存在といったような感じで捉えてしまったり、またどことなく暗さをただよわせた印象を持ったりしますが、ここでの彼らは誰もが明るく自信に満ちていた点が驚きでした。同じ障がい者といっても日本とデンマークではこうも違うのかと、さすが福祉大国デンマークだけあると実感した訪問でした。



  


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